書く気力 体力 |
書を楽しむことを避けていた。
磨り易そうな墨を見つけ磨ってみた。
三日月と満月が山の上に見え 木には実が生り
黒い墨に 金色と銀色で縁取った美しい光景に
中国の技や美は素晴らしいとしか言いようがなかった。
墨の価格は重さやサイズ・・・そのほか
原材料である菜種油・椿油・桐油・大豆油を燃やし採取し
ニカワと香料で練り合わせて作り 古墨かどうかも大きく左右する。
手に入れて50年位経つと 良い墨の色が出るそうな~
あと10年待つのは命の保証もなく 使うことに決めた。
その方が 父も喜んでくれるだろう。
神戸 元町の老舗みなせは今でも堅実経営されている。
2週間ほど前に 夫がハロウィンかぼちゃをカットする実演に着いて行った時
みなせの前を懐かしく通り 中に入った。
昔と違って 若いお客が多く現代風の色紙や葉書きなどが飾っていた。
師である木村知石との出会いは温かく 師は天才だった。
父が数ある書家の中で 木村先生が実力も人柄も私には最適と勝手に決め
「何も知らない娘を頼みます」と言ったもんだから ずっと通い詰めていた。
師とは お爺ちゃんのように思い何故かウマがあったようだ。
もし師が今の若い書道家である武田双雲や紫舟の書を見てどう思うだろうか?
それとなく分かる気がする。
師の頭の中には中国何千年前の書体や文字が記憶され
鋭く力強い漢字に惚れ惚れして 手の動きをずっと見ていた。
いわば書の天才であり 努力を惜しまず自他ともに厳しい師だった。
私は凡人・・・これでいいのだ。
いつまでも師の教えは忘れることなく
高年齢の生徒には厳しかったが 若い生徒には甘かったことを思い出す。
夫は授業があり大学に行くから~
偶には美味しそうなお弁当 何処かでお願いしますよ。
今日は自由だ!
これを見つけて 柄の長いほうきを作って欲しいと言った女性あり。
夫は 何時か分からないけれど作るそうな~
何かを作るのが 嬉しいのかな?