優しいいっちゃんや おばさんのこと |
ちょっと 病院へ出かけ帰ってみると
駐車場に玉葱や野菜などがぶら下がっているのが見えた。
誰が来てくれたんだろう?
ごみ屋敷で見られるのがチト恥かしいが 軒下に吊るして貰った。
何もかもが自宅農園で作られたもので 特に大きな茄子にはビックリ。
他には次郎柿とパリパリの胡瓜も入っていた。
いつの間にこんなに上手に作ったのかと感心。
つくづく 有り難いな~と思った。
それにしても縁とは不思議なもの。
いっちゃんの母親と私の母が幼馴染みで結婚してからもお互い行き来をしていた。
その子供同士も仲が良く 島に帰ってからはもっと深くなった。
私がスキルス癌でオペが成功したのを知っていたのもあるが「胃の調子が悪い」と言って いっちゃんのお母さんが 島から母と私を頼ってやって来た。
早速病院へ連れて行き 検査の結果オペの日が決まった。
「一人で入院や手術は恐ろしい~不安」と言い 母が偶々先に入院していたこともあり うまい具合に二人同じ病院で過ごすことになった。
母も幼馴染みと入院生活に喜び 私も母が喜んでいる顔を見て安心した。
その後も 母が逝ってからおばさんはその病院で入院することがあったが
私は「いっちゃんは病院へ来なくていい」と言って
毎日 おばさんに会いに行くのが楽しみだった。
母たちが繋いだ縁は 子供の私たちも縁の続き大切にしている。
いっちゃんのお母さんは現在87歳でやせ細っているが 今も健在だ。
母は逝っても おばさんから母のことや曾爺さんの話をしてくれるのが安らぎ・・・
いつまでも長生きと言う訳には行かないが
私が写した写真を遺影にすると言い 葬儀場まで教えて貰った。
あれだけ「入院や手術が怖い」と言っていたのに 死ぬことは怖くないらしい。
「お誕生日に食事に行こうね」と話している処に 婿養子さんがやって来て
「はよ誘って行って~ でないと いつ逝くやら~」と・・・
お婿さんと そんな話が出来るおばさんは幸せやな~と思った。