私には行かねばならぬ所があった |
生前 梅ちゃんから御主人が乗る船が撃沈された話をよく聞かされた
梅ちゃんは強い人だったから 遠い出来事のように話し
私達の前では 御主人のことで全く泣かなかった
だが テレビ局や雑誌社の人が取材に来るとポロリ涙を流していた
御主人のことは梅ちゃんから聞いた話や書き物からしか知らないが
毎年 この日になると靖国神社にお参りに行っていたことを思い出す
私が逝った後 誰も主人のお墓にお参りしてくれなかったらどうしよう?と不安を語っていた
甥や姪は22人いるけれど誰もお参りに来ないことを梅ちゃんは知っていた
ちゃんと お二人の月命日にもお参りしているから安心してね
畑に咲く菊やビショギだけでは寂しそうなので
今日は特別な日・・・御主人の祥月命日
買った花なんて嫌よ~と言っていたけど 偶にはいいでしょう
今思うと 梅ちゃんは楽しいお婆ちゃんだった
94歳の時 脊椎狭窄症で入院した時
医師や看護師が部屋に入って来るたび痛い痛い~と大声を出した
本当に痛いの?って聞くと 痛いって言った方が医者はよく診てくれるでしょう~と言って舌を出していた
なかなか演技派でお茶目な所もあり可愛いと思ったが
ご自身が医師で 患者さんを診てきた経験から咄嗟に思いついたと言う
笑っちゃうよね
楽しいことや教えられたことは多く 手作りご飯も一緒によく頂いた
思い出すと悲しくなるから なるべく思い出さないようにしていたが
お墓の前に行くと 色々楽しかったことが浮かんできた
今日は日本中がおめでたい善き日だったのに
忘れないように書き留めたかったことがあり お許しください